スケールモデル研究所
ハセガワ:1/72 エアクラフトモデル C1「F-4EJ ファントムII」
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ハセガワ:1/72 エアクラフトモデル C1「F-4EJ ファントムII」
<F-4EJ ファントム ハセガワ1/72>
F-4EJは航空自衛隊で現役の戦闘機ですが、ファントムの飛行隊が初めて結成されたのは1972年なので、40年以上前のこと。現在、部隊に配備されている機体はF-4EJ改と呼ばれている改修型です。いまなおF-4を戦闘機部隊で運用しているのは宮崎県新田原基地第5航空団の第301飛行隊、茨城県百里基地の第7航空団第302飛行隊の2個飛行隊です。

このキットは改修前の機体です。日ノ丸が改修型より大きいこと、機首からキャノピー前にかけて黒いことなどの特徴があります。
ところで、現在はF-2支援戦闘機が配備されている第8航空団ですが、かつて「洋上迷彩」のファントムが所属していました。そのペイントがかっこいいので、今回はそのブルーに塗ってみました。(1/72自衛隊ミサイル&ランチャーセット)ミサイルのプラモデルなんて売ってるメーカーは、日本のハセガワの他にあるのでしょうか。
兵装に別売品のASM-2対艦ミサイル、AAM-3対空ミサイルを選びました。ハセガワではこういうニーズにきちんと答えてくれるところが素敵です。
ハセガワ:1/72 エアクラフトモデル C1「F-4EJ ファントムII」
塗装には、従来から使ってきたMr.カラーに加え、先日導入した新製品アクリジョン(GSIクレオス)を使いました。Mr.カラーには洋上迷彩3色セットが販売されていますのでお勧めですが、今回はアクリジョンの青系の色とホワイト、グレーを混ぜて再現してみました。
ハセガワ:1/72 エアクラフトモデル C1「F-4EJ ファントムII」
<コクピットの製作>
早くきれいに仕上げることを主眼に、乾燥が早く、きれいに仕上がるエアブラシの活用です。マスキングの効率を考え、シート座面のオリーブドラブ、計器パネルの黒、その他床面等のグレーの順に塗装しました。理由はその他床面等のマスキングが一番面倒だと考えたからです。 また、パイロットはオレンジ色を吹き付け、酸素マスク、ハーネスの濃緑色、酸素供給ホース、ブーツの黒は筆塗りとしました。この項目の所要時間は約3時間でした。

<機体の接着>
多少の加工が必要でした。パテで埋めた部分は、空気取り入れ口と機体の隙間、主翼と胴体との隙間、胴体部品の左右を接着している部分(コクピットから中央部分にかけて)です。 注意した点は、尾翼に23度の下反角があるため、接着剤の塗布後にマスキングテープで貼り付けて固定しました。 さらに、これらに加えて、主翼下面と機首につながる部分に大きな段差ができてしまい、この部分に厚くパテを盛ることになってしまいました。 こうなってしまうと、パテの乾燥に日数がかかります。早く完成させることはかないませんし、せっかくのモールドが埋まる、形が不自然になるなど副作用まであります。 この反省ですが、主翼の貼り付け時に、機首部分のとの仮合わせを十分に行っていれば、接着面を削ることで段差を解消できたことです。 この項目の所要時間は、正味の作業時間は約2時間程度でしたが、1週間経っても完全に乾燥したのか疑わしいです。当初の目標であった「早く」仕上げることは実現できませんでした。 乾燥時間が異常に長い原因はラッカーパテをサーフェイサーと混ぜて厚塗りしたことではないかと考えています。 次回からの対策はエポキシパテか、パテをMr.カラーうすめ液でやわらかくした溶きパテを使うことにします。

<パテ乾燥後の修正>
パテのはみ出した部分を、ラッカー溶剤と筆、布を使って拭き取ります。こうすると下地のモールド等を削ることなく仕上がります。ところがここで失敗。小ビンに移していたラッカー溶剤が、GSIクレオス「真・溶媒液」で、普通の溶剤よりも強力なタイプ。機体表面が溶けだしてしまいました。 仕方ないので、溶けた部分が完全に乾燥してから耐水ペーパーで磨きます。 キャノピーの接着には無色透明で隙間もぴったり埋められるエポキシ系接着剤を使います。キャノピーの前部にクリアブルーの部分があるので、新規導入のアクリジョンを筆塗りします。
ハセガワ:1/72 エアクラフトモデル C1「F-4EJ ファントムII」
ハセガワ:1/72 エアクラフトモデル C1「F-4EJ ファントムII」
排気口まわりのメタリック系塗装ですが、新製品のアクリジョンにはこの塗料がまだ販売されていません。よって、エナメルのメタリックグレイを使ってみました。 さらに色違いの部分には、重ねてクレオスのメタルカラーを吹き付けました。 すると、金属の感じがよくありません。さらに、表面処理が悪かった箇所の仕上がりが残念なことになりました。失敗です。塗装をはがしてもう一度やり直しです。

ところが追い打ちをかけるように、尾翼がはがれ落ちてしまいました。失敗した塗装も、思うようにはがせず、耐水ペーパーで研磨したら、塗り分けに必要な凹凸まで消えて行く始末。もう、大失敗です。

尾翼が脱落した原因は、接着がもともと弱かったことに加え、エナメル系の溶剤が接着部分に浸透したこと、失敗した塗装が落とせないのは、エナメル系の上にラッカー系が塗装され、ラッカー系溶剤に溶けだした塗料が、下の塗装と機体表面を侵食したことではないかと考えています。

<この失敗のリカバリー>
まず、尾翼表面の下地作りです。600番の耐水ペーパーで塗装を削り落します。この作業の途中で、消える凹凸を薄い金属製の定規をあてて、ナイフで掘って再生します。
次に、800-1000-1500-2000-4000番の順で耐水ペーパーと、その後にコンパウンドで磨きます。
そして、この尾翼部品と機体の双方の接着面をリューター、ナイフでならし、瞬間接着剤で隙間を埋めるように強力に接着し、隙間にラッカーで溶いたパテを流し込みました。

今度はラッカー系、エナメル系の順で塗装します。ラッカー系から塗装するのは基本でした。 それなのに、慣れてくると例外的工法が可能かな、と思って失敗してしまいます。

塗って磨きだすラッカー系メタルカラーも使ってみたのですが、磨く際に他の部分に銀粉がついてしまいきれいに仕上げられませんでした。 マスキングして磨き、金属感が出たところで水性系のクリアを吹き付けて保護すればよいと思われますが、今回は単純にMr.カラーのシルバーにしました。

<機体の裏側に水色塗装>
足回り部分のマスキングが面倒だなと思って、飛行状態に仮止めしました。マスキングテープを丸めて作った特製両面テープで蓋になる部品を貼ってあります。 この状態で塗れば、蓋の部品も一度に塗れて効率的。もちろん、裏と脚が収まる箱の部分は先に白く吹き付けていますよ。

境目のはっきりしない塗り分け塗装 まず、機体表面を裏面と同じの水色で塗り、そのあと紺を塗ります。 境目をぼかして塗るため、端っこを浮かせたマスキングをしました。波型に切った紙を両面テープで作ったコヨリで貼りました。 その結果、程よくボケて仕上がったところもあれば、波型の奥まで吹きこんで失敗したところが発生しました。 波型に合わせてコヨリをまめに貼りこんでおけばよかったようです。

失敗したので今度は紺色をフリーハンドで吹き付けました。 すると広くなりすぎてしまいましたので、今度はゾルを使ってマスキング。 波型の境目がぼやけるように、水色を吹き付けたところようやく完了。初めからこの方法だと簡単だったかも知れませんねえ。
さて、機体塗装ができたのでデカール貼りです。 デカールを貼ったところ、白く浮き上がった部分もありましたので、GSIクレオスマークセッターを使いました。 するとデカールが経年劣化のためかちぎれてしまいました。多少ちぎれても貼れれば問題ないのですが、しわがよってしまい、くちゃくちゃになってしまいました。しかたなく、日の丸部分を下地にホワイト、上にレッドの順に筆塗りしました。仕上がりが今ひとつですね…。丸くマスキングして吹き付け塗装とすべきでした。
ハセガワ:1/72 エアクラフトモデル C1「F-4EJ ファントムII」
<仕上げのつや消しクリア塗装>
デカールはテカテカしてしまい、機体表面で明らかに浮いた存在です。なじませるためのクリア塗装を行います。

アクリジョンのつや消しクリアを吹き付けた結果、どうもつやがありすぎる感じでしたので、フラットベースを足して吹きつけました。 すると今度はつや消しが強すぎ、白くムラができてしまいました。 仕方ないので、もう一度ただのクリアを吹き付け。今回は失敗ばかりの製作でした。

失敗ばかりの製作記となりましたが、完成した機体をみると青いF4ファントムの姿です。やっぱりこの形、この機能美。これがかっこいいと思うのです。混ぜて作ったこの色も意外といいんじゃないかしら。 今回の失敗を教訓に、次回作はいい品を作ってやるぜい
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