スケールモデル研究所
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
こちらの商品はギャラリーに画像がありますのでご覧ください
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<このキットについて>
ずっと昔から販売されている定番の商品です。
それゆえ値段も安く、わりと簡単に作れるモデルですよ

<ブレードの組み立て>
部品点数が少なく、あっという間です。
強いて言えば、ブレードの軸受け部分にあるパーティングラインの修正をしておくことぐらいでしょうか
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<機内の様子>
輸送ヘリなので機長、副操縦士のほか12名分の座席があります。
背もたれの裏側が完成後に見えるかなと思い、パテで埋めてみました。
しかし、ドアを閉めると全然見えないことが後で判明。
この作業は不要でした
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<塗料のお話>
ハセガワのキットの塗装はGSIクレオスが案内されています。けれども研究室にはタミヤカラーが充実しているので、クレオスの代わりができないかと思います。同じ名前の色で同じ色、例えば白、黒、つや消し黒などは迷うものではありませんが、オリーブドラブ等、名前が同じでも色調が異なるものもあります。これらは、タミヤカラーの色調が少し鮮やかな傾向があるようですが、このままタミヤカラー使いました。
グレーは種類が多く、少々難しいですが、雰囲気が「相応しい」と思ったタミヤカラーで塗装しました。
こういう時、以外に便利なものが、GSIクレオスの塗料のパンフレット。もちろん白黒印刷ではないですよ。この色見本を参考にタミヤカラーを選ぶのです。
実機の色ですが、工場出荷の状態と、運用中とでは当然に色が違います。退色、くすみ等があるからです。さらに、青空のもとの飛行機の色を、机上の模型で再現するためには色調を調整する必要もあるでしょう。
このことからわかることは、「模型の塗料の正解は一つではない。」ということです。塗料メーカーによっても考え方が違うため、色調も異なるのが当然です。指定の色では雰囲気が違うと思う時などは、相応しいと思う色で塗装するわけです
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<機体の貼り合わせ>
とりあえず接着剤を付けずに組み合わせてみたところ、段差が少し気になる場所があり、操縦席付近などに少し薄めたラッカーパテを塗り付けました。こうすると、仕上がりが良くなる反面、乾燥までの待ち時間、さらに乾燥後に削って、磨く作業時間の分だけ完成が遅れ、その作業の手間が増えるわけです。この点、こういった段差が完成時にどのぐらい影響があるのか、これを見極められるようになると、手早く、簡単に、いい品が作れるようになるポイントなのでしょう。研究室では現在、この点を重視して研究しています
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<窓の取り付け>
窓の部品の内側には、指紋や汚れを付けないように注意しました。部品が小さく、貼りつけ作業がちょっと難しいです。
そこで、ようじの根元に両面テープを貼り付け、特製支持棒を作りました。これで部品を保持して、枠に貼り付けました。
接着剤にはボンドを使っています。
この作業、実は、本物の自動車工場でガラスをボディに取り付ける際に、吸盤を使って保持し、接着している工程に倣っています
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<窓のマスキング>
曲線部分に合わせてマスキングテープを切出すのが難しいです。そこで、今回はテンプレートを使いました。金属製のテンプレートに沿ってナイフの刃を滑らせると、きれいな曲線テープが簡単に作れます
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<機体の塗装>
UH60は派生形や改修型が豊富です。つや消し黒の改修型があるので、隙間の埋め戻し作業の完成をチェックすることを兼ねて、黒く塗って、この改修型のイメージを再現してみました。
黒もかっこいい反面、ブレードも全てが単一の黒一色になって面白み少ないことから、今回はオリーブドラブ(タミヤカラー)にしました。

黒い改修型はまた今度
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<ブレードの塗り分け>
ブレード(回転翼)には黄色の細いラインと銀色の縁取りがあるので、黒色塗装のあと、マスキングして銀色、更にそのあと黄色を吹き付けています。しかし、細いラインの幅を揃えて、周りをマスキングは非効率でした。前回真っ黒に塗ったテールローターブレードも、今度はオリ-ブドラブ(OD色)に塗ります。こちらはOD色に黒色と銀色の縁取りですので、まず、縁どりの黒色部分にマスキングをして、銀色を塗り、その次に銀色の縁取り部分にマスキングして全体のOD色を吹きつけました
<デカール>
今回もデカールがどうもうまくいかないのです。おそらく塗装面がザラザラにならないよう、塗料の濃度を薄くしたのですが、不十分だったかもしれません。少し布で磨いてから貼ってみたのですが、どうも仕上がりが今一つ。この点、今後も継続する研究テーマです

<デカールの上からクリア>
つや消しの機体にデカールを貼ると、デカールだけがテカテカしてしまうので、セミグロスクリアを吹きつけます。でも、つやが出すぎてしまったので、もう一回つや消しクリアを上から吹き付けました
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<おまけ>
付属の人形(ドアガンの着座姿勢の兵士)の姿勢を変えて、躍動感を表現してみました。というのも、どのみち加工しないと本来の椅子にも座れないためです。
さて、作業はニッパー等で人形を手足の部品に一旦分解することからスタートです。カットする時に飛ばして無くさないように注意しました。切った部品をもう一度、いい具合のポーズになるよう、貼り合わせていきます。この時、貼り合わせ部分が全然合いませんので、ナイフで削る、あるいはゼリー状の瞬間接着剤を使い、隙間の埋め戻しながら、接合部の接着と兼ねて作業しました。
右手と右足の両方が前に出ている、というのでは卒業式で緊張した小学生のようですから、この点、注意して貼り付けました。乾燥時間が以外とかかるので、硬化促進剤*も使いました。*アロンアルファならばスーパー液です)
接着剤を盛りつけ過ぎたところ、服のしわが消えてしまったところなどを削り、不自然な隙間をラッカーパテで埋めて形成していきます。瞬間接着剤は無色透明なので、一旦プライマーで塗ってみたところ、形成の具合がよくわかりました。携行する武器は、ドアガン部品をベースに削り出し、MINIMI風な軽機関銃にしてみました。
実は今回の記事に載っていませんが、付属の人形には、歩兵があと4体キットに含まれています。御紹介できない事情は、この歩兵がいい味出しているので、研究員が別のジオラマで既に使ってしまったからなのです
ハセガワ:1/72 UH-60A ブラックホーク
<まとめ>
お手頃価格ながら、部品の精度がよく、親切な設計だと思いました。
精度の高さの例は、コクピットのガラスとキャビンのドアが接着剤を使わず、パチッとはまっていること、親切設計の例は、スタブウィングの取付け穴が大小に分けられ、取付け部品を間違わないようになっていることです。
難しかった点は、ドアガンの人形の足を加工しないと、座席にうまく座れないことでした。
この点、精度がいいハセガワらしくありませんので、組み立て方法に問題があったかもしれません。もっとも、この人形は改造して機関銃手の歩兵にしてしまいましたが。
1/72スケールは手頃な大きさです。あなたのデスクトップにも、軍用ヘリを3Dでいかがでしょう
<今回導入した道具>
■タミヤ ハンディリューター(組み立て式)
既に研究室で使っているリューターは、チャック部分が差し込むだけの簡易なタイプで、どうも軸ぶれがあって今一つでした。そこで、刃の固定部分が金属ネジのタイプを新しく買ってみました。この製品の組み立てには、結構工具を使います。(ニッパー、ナイフの他、ラジオペンチとプラスドライバ小と中)小さなネジやeリングがあるので、なくさないように注意が必要です。この点、タミヤの気配りにより、1個しか使わないeリングや小さなネジのスペアがもう一つ入っていました。その昔、ネジをなくしたことがある研究員にとっては、なんと優しい心配りかと思いました

<曲線テンプレート ハセガワトライツール>
マスキングテープやプラバンを曲線や円で切出したい時に使うものです。これを買うまでは、カッターマットにプリントされた円を目安に切っていましたが、今回からこちらを導入したところ、きれいに且つ簡単に曲線の切出しができるようになりました。テンプレートになっていなくても、金属製の定規(ホームセンターに売ってる大工さん用)は結構高価でした。それと比較するとお買い得ではないでしょうか。ちなみに、プラスチック製のテンプレートも文房具店では確か1,200円程度でした
ページトップへ
このページを閉じる