スケールモデル研究所
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
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タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ
No.329「陸上自衛隊 10式戦車」

10式戦車とは陸上自衛隊の最新国産主力戦車です。
開発は防衛省技術研究本部、試作・生産は三菱重工業が担当しました。 主砲は日本製鋼所の国産44口径*120mm滑腔砲を備えています。
戦後の国産戦車としては4代目ですが、国産の戦車砲を搭載できたのは戦後初です
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
<口径のはなし>
ここでいう口径とは、砲の長さを砲の内径で除した値。「44口径120mm滑腔砲」とは砲の内径(ほぼ砲弾の直径)が120mmで、5.28mの、砲の内側に何のスジも入ってない砲ということです。
数式にすれば、120mm×44口径(長)=5280mmということ。よって砲の長さは5.28mということになります。
砲が長くなれば、弾はその分だけ砲(筒)の中で加速できます。
初速が速い=貫徹力が強く、飛距離も長い、ということです。しかし、砲が長くなると製造が格段に難しくなり、高度な技術が求められます
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
エンジンは水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジンと油圧機械式無段階自動変速操向機(HMT)を組み合わせた動力装置(パワーパック)を搭載し、小型・軽量化と優れた応答性・敏捷性を両立。
最高速度は70キロ。さらに驚くことにバックも時速70キロ(世界初)。
現代戦は撃ったら逃げることが肝要なのです。

残念ながらエンジン内部は防衛機密。車体後部左右にひとつずつあるのが排気口。グリルで隠しているのは赤外線探知への対抗策でしょうね
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
この戦車のすごいところをもう一つ。
10式戦車では自動装てん装置と高度な姿勢制御装置により、スラローム走行をしながら正確に照準、射撃が可能で、的に砲をロックしたまま激しい機動が行えます
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
主力戦車を軽く小さくしようと考えて開発した国が日本の他にあるのでしょうか。この10式戦車は、車体を小型化したことで重量が約44トン*に抑えられ、日本の道路事情を考慮したトレーラーによる輸送にしっかり対応しています 現代の世界の最強戦車と呼ばれる戦車たちは50t、60tが当たり前で、そんな重い戦車を積んだトレーラーでは日本の道路、橋は通行できないのです。(*装甲を脱着できるのでこれより重くも軽くもなります)。

また、モジュラー装甲を採用したことにより、戦闘で被弾した場合でもモジュラーごと交換ということで対応できる場合は、格段に早く修理が完了できるものと考えられます
新世代というべきC4I(C Quadruple I system シー・クウォドルプル・アイ・システム、英: Command Control Communication Computer Intelligence system)に対応し、各車両と指揮命令系統のデータを共有させ、より効率的な作戦行動が可能になっています。 自分からは見えない敵も、仲間の誰かが見つけていればデータリンクにより正確にその位置、勢力が把握できるというもので、1両の戦車が他の戦車等と連携し1両以上の力を発揮するのです
<キットについて>
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
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部品製造の正確さも部品構成も素晴らしいです。さすがのタミヤ。細かい部品もありますが、確実に組みあがっていきます。
組み立て終わってからでは塗装しづらい、場合によっては塗装できないところもあるので、途中でも塗装します。
キットの設計における作業性向上の工夫ですが、砲塔とその周辺は同じC部品のランナーの中に、しかも近いところにまとめて配置されています。 タミヤの設計者はモデラー同様、実際に何度も作ってみてから再設計したのでは、と思えるほど、よく考えられていると思います
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
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タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
1/35だと兵士の人形も顔までしっかり表現できます
バスケットの製作1
バスケットの製作2
ウェザリングのシルバーでワイヤーを塗る
<塗装>
まずは履帯(キャタピラ)を覆うスカート。マスキングしないでよさそうなのでこの部分から。ちなみに実車のスカートはゴム製で、側方からの赤外線探知をしにくくする効果を狙っています。いわばステルスですね。 車体色の塗装は組み立て後に

バスケットの製作
砲塔後部にはバスケットが備えられています。キットでは、このバスケットに貼るメッシュが入っていますので、切り出して貼り付けます。 メッシュの向きは、説明書どおりにすれば斜め方向ですが、切りやすいのと、あまり変わらないかなと思い、縦目にしてしまいました。

この作業は手間がかかります。鉄格子の内側に貼るのですが、切り出して貼ろうと合わせると大きすぎてうまく貼れません。 もっとも初めての作業です。初めからうまくいくことはありませんね。

車体後部に備え付けのワイヤーですが、つや消し黒を、他の部品と同時に吹き付けたあと、ウェザリングマスターのシルバーをこすりつけて表現します
<車体の塗装>
実車も色の境目はぼやけているのでフリーハンドの吹き付け塗装にしました。 でもこれが結構手間で、広く塗ろうとすると、ボケすぎ。近づけすぎると塗料が飛び散ってしまいます。うまいこと加減して塗りました。意外と淵を浮かせた紙マスキングが手軽だったのかも知れません
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
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塗装前の様子
塗装中の様子
画像左にある転輪もフリーハンドの吹き付け塗装です。塗料を薄めにして、エアブラシ本体を近づけての塗装作業になりました
<兵士の塗装>
肌色を吹き付け塗装後、タミヤモデリングブラシHG〈超極細〉とアクリルカラーを使って塗っていきました。
迷彩塗装は全体のバランスを見ながら、筆が残す跡も生かしながら。服のしわなど、濃淡をつけるとよい仕上がりです
塗料皿に4色(フラットグリーン、バフ、レッドブラウン、ジャーマングレイ)同時に用意して、エアブラシ用のエアで吹いて乾かしながら筆塗りしたところ、手際がよかったと思います 服のしわなど、濃淡をつけるとよい仕上がりです
タミヤ:1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.329「陸上自衛隊 10式戦車」
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兵士を塗る1
兵士を塗る2
兵士を塗る3
兵士を塗る4
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<おわりに>
迫力のある大きさの模型で、組み立てもしやすく、特殊な作業をすることなくかなりリアルな仕上がりになる製品です。
さすがのタミヤです。欠点があるとすれば唯一その価格。内容を考えればまったくお買い得といえますが、こどもがお小遣いで買うには5,000円はきついよなぁ。
もっとも今時のこどもは携帯ゲーム機で遊ぶのか。

さあ、大人のみなさんは、是非大人買いして、童心に帰りましょう。 大いに楽しんでいただけること間違いなしです
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