ハセガワ:1/72「一式陸上攻撃機11型」
製作・撮影
パパゴジラ さん ※2016年05月23日当店ギャラリーに掲載

作品解説
ずいぶん前に掲載していただいた1/32「九三式中間練習機“赤とんぼ”」に乗って訓練を受けた知人(故人)が、訓練を終えて実戦で搭乗した「一式陸上攻撃機」です。

この知人自らこのキットを2つ買ってきて白黒写真とともに手渡され、「1機はこの写真どおりに作って自分に渡し、あとの1機は君(私のこと)が好きなように作って持っていてほしい。」との注文があり、写真の不鮮明さに苦労しつつ何とか完成。手渡したときには涙ぐんで握手を求められました。

この知人によると、一式陸攻は前後の重量バランスが悪く、水平飛行をしているときも横から見るとお尻が下がった(=機首が上がった)斜めの状態だったそうで、離着陸の際はパイロット以外の乗員全員が前や後に集まって、バランスをとるための”おもり”代わりを勤めたと、笑いながら話してくれました。
それでも、米軍からはわずかな被弾でも発火することから「ワンショットライター」とあだ名されたものの、航空機としての性能は一流で、乗員からはその機体の形状から「万年筆」と呼ばれて親しまれたとのことです。

作品は、2機とも機体下面は明灰白色ですが、知人に渡した機体の上~側面は暗緑色一色で、日の丸のフチを塗りつぶした様子が写真に見られたので、一段濃い(暗い)緑でそれを再現しました。
私の手もとに残った作品(今回の投稿作品)は、2機同じ仕上げというのも芸がないので、暗緑色とレッドブラウンの2色迷彩とし、日の丸以外のマーキングはつや消し白で手描きしました。

「大和」、「鈴谷」、「赤とんぼ」、「一式陸攻」…、”真面目にプラモを作る子がいる”という噂を聞きつけて、実際に乗っていた元軍人、あるいは乗っていた兵隊さんの遺族が頼みに来られ、かなりな数のプラモを製作しましたが、こういうのって手が抜けないんですよね。
中高生の頃の拙い技術でも可能な限りの作り込みをして、完成品を手渡したときの依頼主の笑顔とお褒めの言葉は、疲れが一気に吹き飛ぶ最高のご褒美でした。
時の経過とともに戦時中を知る人が少なくなる中、貴重な経験をさせていただいたと思っています。
画像募集してます
当店で購入したプラモデルを組み立てて持ってきていだだければ(郵送不可)、当店で撮影して当サイトにアップいたします。
また、当サイトでは、皆様から画像の投稿を募集中です!(画像投稿の場合は当店購入は関係ありません)
サブウィンドウを閉じる

PAGE TOP